2025年7月20日、第27回参議院選挙が実施されました。今回の選挙は、与党の過半数割れや新興勢力の躍進など、大きな政治的変化が起きた重要な選挙となりましたが、地元・千葉県から見た有権者の動きや空気感にも特徴があったと、私は感じています。
【身の回りの変化】~普段投票しない人たちが、今回は行った~
私自身、日々の生活や仕事をする中で、これまで選挙にあまり関心がなかった仲間や地元の人たちから「今回は投票に行こうかな」という声を、何度も聞きました。
その背景には、日常の暮らしに直結する問題がありました。
- 物価は上がる一方なのに、賃金は上がらない
- 米の価格も高騰し、家庭の食費にじわじわと影響
- 光熱費、ガソリン代、外食費、あらゆる支出が重くのしかかる
こうした状況が、政治に対する興味や「何かを変えなければ」という思いにつながったのではないかと感じています。
【SNS・YouTubeが動かした世論】
今回、特に印象的だったのがSNSやYouTubeによる選挙活動の影響力の強さです。
これまでは選挙ポスターや新聞広告、街頭演説が中心だったものの、今回は多くの候補者や政党が動画やSNSを駆使して訴えかけてきました。
- 政策を5分で解説するショート動画
- YouTubeライブでの双方向のやりとり
- TikTokやInstagramでの簡潔なメッセージ拡散
こうした情報発信は、若者はもちろん、高齢の世代にも届いていたように感じます。
「テレビで見るより、スマホで候補者を見た」「演説の内容をYouTubeで聞いて投票を決めた」という声も多く、SNSが選挙行動に与える影響は確実に大きくなっていると思いました。
【選挙結果と千葉県】
全国的には、自民党39、公明党8の計47議席で与党連合は過半数割れ。立憲民主党や国民民主党、参政党などの野党勢が大きく伸びました。
千葉選挙区でも、票の動きにはこれまでにない変化が見られました。
千葉選挙区(参議院・定数3)の開票結果(2025年7月20日)
上位3位までの当選者は以下の通りです
順位 | 氏名 | 所属政党 | 年齢 | 得票数 | 得票率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 長浜 博行(ナガハマ ヒロユキ) | 立憲民主党(現職) | 66歳 | 500,096票 | 約17.6% |
2 | 小林 さやか(コバヤシ サヤカ) | 国民民主党(新人) | 41歳 | 531,581票 | 約18.8% |
3 | 石井 準一(イシイ ジュンイチ) | 自民党(現職) | 67歳 | 431,330票 | 約15.2% |
これにより、立憲・国民・自民の3名が当選を果たしました。
【国民民主党の躍進に注目】
今回、個人的に特に注目したのが「国民民主党」の躍進です。
消費税減税、実質賃金の改善、エネルギー政策など「生活に根ざした提案」を掲げ、浮動票の支持を得た印象があります。
千葉県内でも、「なんとなくでも耳に入ってくる」ような政策やメッセージが増えていた気がします。
既存の大政党とは異なる柔軟な姿勢が評価されたのかもしれません。
【3連休中日の選挙、これは適切だったか?】
一方で、今回の投票日が3連休の真ん中(7月20日・日曜日)だったことには疑問も感じました。
ちょうど子どもたちが夏休みに入ったタイミングで、家族旅行や外出予定と重なった人も多かったはずです。
「選挙と旅行、どちらを優先するか」と考えたとき、選挙が後回しになるケースも当然あります。
もちろん期日前投票という制度はありますが、それを“前提にした日程”というのも、本末転倒ではないかと思います。
【変わらない30年を変えるべき時期】
私は今回の選挙を通して、「現状維持ではダメだ」という思いをより強くしました。
日本はこの30年、実質賃金もGDPも伸び悩み、成長の実感がないまま今日に至っています。
そんな中で、「今のままでは生活は良くならない」「誰かが変えてくれるのを待つのではなく、動かなければ」という感情が、静かに広がっていた気がします。
【参政党の台頭と新しい選択肢】
今回の選挙では、「参政党」の躍進も大きな話題となりました。
排外的とも言えるメッセージや、極端な政策主張もありますが、それでも一定の支持を集めた背景には、既存政党に対する不満や、政治への新しい期待感があるのかもしれません。
ただし、感情や不安に流されず、主張の中身をしっかり見極めることが、これからの民主主義にとって不可欠だとも感じます。
【まとめ】
千葉県から見た今回の参院選は、「日常が政治に引き寄せられた選挙」だったと思います。
- SNSやYouTubeで情報を得て
- 物価と生活の不安が投票行動を後押しし
- 政治的関心が広がり
- 新たな勢力や視点が議席を得た
この動きは、きっと「これからの政治をどうしていくか」という問いの始まりなのだと思います。
生活が苦しいままでは、政治の正しさも響きません。
だからこそ、生活者の目線に立った政策が、本当に求められているのだと、私は強く感じました。
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